結論
Windows 11 と Mac に標準で入っている字幕機能は、日本語には翻訳できません。Microsoft のヘルプによると、Windows 11 のライブ キャプションの翻訳は Copilot+ PC 専用で、出力先は英語(米国)と中国語(簡体字)だけです。Mac のライブキャプションに翻訳はありません。Chrome は日本語に訳せますが、対象は Chrome で再生している音声だけで、翻訳のときに字幕の文字を Google に送ります。
Fraze は Mac と Windows のアプリで、PC で流れている音声をアプリを問わず聞き取り、1 行ごとに日本語の訳を並べます。文字起こしも翻訳も PC の中で動くので、音声も文字も外に出ません。字幕が出るのは、話し手が言葉を区切ってから約 0.5 秒から 1 秒後です。
ただし日本語については、英語の音声を日本語に訳す向きだけです(ドイツ語やフランス語などは英語を経由します)。日本語から英語やほかの言語には訳せません。日本語の話し声を文字にできるのも、macOS 26 以降の Mac に限られます。
動画や会議の音声を日本語字幕にできるのはどれか
| 字幕にできる音声 | 日本語への翻訳 | 翻訳する場所 | |
|---|---|---|---|
| Windows 11 ライブ キャプション | PC のすべての音声 | できない(出力は英語と中国語) | PC の中 |
| macOS ライブキャプション | Mac のすべての音声 | できない | 翻訳機能なし |
| Chrome の自動字幕起こし | Chrome で再生中の音声だけ | できる | 字幕の文字を Google に送信 |
| YouTube の字幕 | 字幕トラックがある動画 | その字幕から翻訳 | YouTube 側 |
| Fraze | アプリを問わず PC の音声 | できる(英語から日本語) | PC の中 |
つまずく点は 2 つあります。1 つは言語です。Windows の翻訳は Windows 11 バージョン 24H2 以降の Copilot+ PC が条件で、そのうえ日本語には出せません。もう 1 つは範囲です。Chrome の外で鳴っている会議アプリや動画プレーヤー、ゲームの音は、Chrome の字幕の対象外です。
会議アプリの翻訳字幕にはライセンスの条件があります。Microsoft のヘルプによると、Teams の翻訳キャプションは、開催者か自分のどちらかに Teams Premium または Microsoft Copilot のライセンスが必要です。Zoom のヘルプでは、翻訳版字幕は Zoom Workplace の対象プランか翻訳版字幕アドオンが条件です。
まず無料の方法から試す
Chrome なら、リアルタイム翻訳をオンにする
Windows と Mac では、Chrome の右上にあるその他アイコンから[設定]>[ユーザー補助]と進み、[自動字幕起こし]と[リアルタイム翻訳]をオンにして、[訳文の言語]で日本語を選びます。Google のヘルプによると、音声の処理は端末の中で行われ、翻訳するときだけ字幕を Google に送ります。
PC 全体の音声を文字にする
Microsoft のヘルプによると、ライブ キャプションは Windows 11 バージョン 22H2 以降で使え、PC で流れる音声を文字にします。Windows ロゴ キー + Ctrl + L を押すか、[設定]>[アクセシビリティ]>[キャプション]の[ライブ キャプション]をオンにします。Mac はアップルメニュー >「システム設定」>「アクセシビリティ」>「ライブキャプション」でオンにします。Apple によると Apple シリコンを搭載した Mac が必要です。どちらも日本語には訳しませんが、英語を文字で追えるだけでも聞き取りの助けになります。
PC の音声を直接聞き取るとどうなるか
- 会議アプリ、動画プレーヤー、ライブ配信、ウェビナー、字幕のない講義まで同じように扱えます。macOS では特定のアプリの音声だけを選べます。
- 小さな字幕ウィンドウを動画の上に重ねられます。表示は原文だけ、訳文だけ、両方から選べ、文字の大きさも変えられます。
- 文字起こしと訳文は履歴として PC の中に保存されます。最初に言語ファイルをダウンロードしたあとは Wi-Fi を切っても動き、アプリの画面も日本語で使えます。
Fraze は PC で流れている音声そのものを聞き取るので、どのアプリが再生しているかを問いません。動画に字幕トラックが付いている必要も、会議の開催者の設定も要りません。主な使い方は、英語の音声に日本語の字幕を付けることです。
料金と、できないこと
- 機械翻訳なので、固有名詞や数字、複数の人が同時に話す場面では訳が崩れることがあります。出るのは字幕だけで、吹き替え、話者の区別、要約はなく、録音ファイルを読み込むこともできません。
- 日本語の話し声を字幕にできるのは macOS 26 以降の Mac だけです。日本語から英語やほかの言語への翻訳は、どの環境でもできません。
- 動作環境は Apple シリコンの Mac(macOS 14 以降)と x64 の Windows 11(4 コア AVX2、メモリ 8 GB)で、Windows 10、Intel の Mac、スマートフォン、Chromebook、Linux には対応しません。
使うには無料の Fraze アカウントが必要です。最初の 30 分はどのアカウントでも無料で、クレジットカードの登録は要りません。そのあとは買い切りの $29.99 か月額 $2.99 で、どちらも時間は無制限です。分単位の従量課金はありません。どちらも米ドルの価格で、地域によっては決済時に税が加わります。
標準の機能で足りる場合
- 見るものがすべて Chrome の中にある場合。日本語に訳せて、費用もかかりません。
- 日本語の音声を英語か中国語(簡体字)の字幕で読みたい場合。Microsoft の一覧では、Copilot+ PC のライブ キャプションは日本語からの翻訳に対応しています。
- 訳したいのが 1 対 1 の FaceTime 通話か電話である場合。Apple が macOS 27 向けに公開している「利用できる機能」のページでは、電話と FaceTime のライブ翻訳の対応言語に日本語が入っています。
- 日本語の話し声の翻訳、要約、共有リンク、スマートフォンやブラウザで使える版がほしい場合。Fraze にはありません。同じ会社のクラウド版 Verli(https://verli.app)を見てください。こちらは音声がクラウドに送られます。
よくある質問
PC の音声をリアルタイムで翻訳するにはどうすればいいですか?
音声がどこで再生されているかで変わります。Chrome の中なら、[自動字幕起こし]と[リアルタイム翻訳]で日本語の字幕にできます。Chrome の外で鳴っている音声は対象外なので、PC の音声を直接聞き取るアプリが要ります。
動画をリアルタイムで翻訳して日本語字幕を出せますか?
出せます。ただし字幕は音声より少し遅れて出ます。字幕トラックのある動画なら、配信サービス側の字幕翻訳が使えます。YouTube のヘルプによると、ライブ配信の自動字幕起こしは英語のみの対応で、字幕のない配信には訳す元がありません。その場合は、再生中の音声から字幕を作る方法になります。
Windows 11 のリアルタイム翻訳は日本語に対応していますか?
日本語の音声を日本語の字幕にすることはできますが、翻訳先に日本語は選べません。Microsoft のヘルプによると、翻訳の出力は英語(米国)と中国語(簡体字)だけで、Copilot+ PC 専用です。
会議のリアルタイム翻訳に主催者の設定は必要ですか?
Teams や Zoom の翻訳字幕は、開催者側か自分のライセンスやプランが条件になります。自分の PC で再生される音声を字幕にする方法なら、開催者の設定は要りません。なお、国や地域によっては、会話を文字に起こす前に相手に伝えることが求められます。
リアルタイムの文字起こしと翻訳はオフラインでも動きますか?
Fraze は動きます。最初に言語ファイルをダウンロードしたあとは、Wi-Fi を切ったままで使えます。Chrome のリアルタイム翻訳は字幕を Google に送るので、インターネット接続が要ります。